「御社」と「貴社」の違い

「御社」「貴社」
この2つの言葉は、意味は同じようでも使い方や使う場面が異なります。

ビジネスや面接などで恥をかくとのないよう、「御社」「貴社」の違いをしっかりと覚えておきましょう。

「御社」「貴社」の意味の違い

意味合いは2つともほぼ同じです。
相手のことを敬い尊敬の念をもって言い表す言葉です。

ですが、ほんの少しだけ違う部分もあります。

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御社の「御」

相手や会社だけでなく、物や行動にも使える言葉です。
単独の相手よりも複数の相手に対して使うことが多いです。

例を見ていきましょう。
「御社」、「御校(学校のこと)」、「御行(銀行のこと)」

「御二方(おふたかた)」、「御三方(おさんかた)」
親しみの方に使う言葉です。
相手が二人だったら「御二方」、三人だったら「御三方」

間違っても初対面の相手に「御二方」や「御三方」という言葉は使ってはいけません。
失礼になります。

「御茶碗」、「御車」
茶碗や車などの物に「御」をつけただけの丁寧語。

「御掃除」、「御買い物」
掃除や買い物など行動に「御」をつただけの丁寧語。

このように、御社の「御」の文字は、会社相手だけでなく、物や行動を丁寧に言うときにも使われます。

貴社の「貴」

相手や会社に対して使うこと言葉で、物や行動にも使いません。
単独の相手にも複数の相手にも使えます。

例を見ていきましょう。
「貴社」、「貴校(学校のこと)」、「貴行(銀行のこと)」、「貴殿(個人のこと)」

貴社の「貴の文字は、会社や組織、個人に対しては使えますが、物や行動に対しては使いません。
「お(御)掃除」や「お(御)買い物」という言葉は聞いたことがあっても、「き(貴)掃除」や「き(貴)買い物」といった言葉は聞いたことありませんよね。

桃子
御社の「御」は組織から物、行動まで幅広く使える言葉だけど、個人に対しては使わない。逆に貴社の「貴」は個人と組織の両方に使える言葉だけど、物や行動を指す言葉には使えないということね」

「御社」「貴社」の使い方の場面の違い

正式には「御社」「貴社」という言葉は、意味合いが同じなためどういう場面で使っても間違いではありません。
しかし、間違いではなくても使いやすい場面と使いにくい場面があります。

どのような場面で「御社」が使いやすく、「貴社」が使いやすいのかを紹介していきます。

「御社」が使いやすい場面

口と耳で相手と話す場面です。

対面や電話、ビデオ通話など、主に口と耳を使用して相手とやり取りをする場面で「御社」はよく使われます。
その理由は簡単で、「御社」という言葉は発しやすく聞き取りやすいからです。

「貴社」という言葉だと、喋るときの呂律も回しにくく、また聞くほうも「汽車?記者?帰社」と同じ発音の言葉が多いため言葉の意味を連想しにくいのです。
そのため、相手と直接話す場合は「御社」という言葉がよく使われます。

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「貴社」が使いやすい場面

文書で相手とやり取りする場面です。
メールや手紙など、文書では「御社」ではなく「貴社」を使います。

その理由としては、もともと「御社」という言葉はなく「貴社」という言葉しかなかったようです。
「貴社」という言葉だけで相手と直接つ話す場合は言いにくく聞き取りにくいという不便性があったため、
「御社」という言葉が生まれたと考えられています。

メールや手紙では相手と直接話すという場面はありませんから、昔ながらの「貴社」がそのまま使われているのです。
たしかに、メールや手紙で「貴社、ますますご清栄のことと・・・」の文頭挨拶文はよく見かけますが、「御社、ますますご清栄のことと・・・」という文頭挨拶文はあまりみかけません。

太郎
「御社」は相手と口頭で話す場合に使い、「貴社」は相手と文書でやりとりする場合に使えばいいんだね」

「御社」と「貴社」のまとめ

「御社」は組織相手によく使う。
「御社」は直接話す言葉ででよく使う。
御社の「御」は物や行動に対しても使える。

「貴社」は文書でのやり取りに多く使う。
貴社の「貴」は個人相手でも組織相手でも使える。
貴社の「貴」は個人や組織相手だけであって、物や行動に対しては使えない。

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