「講義をきく」「人の話をきく」など、毎日必ず使うと言ってもいいほどの頻出ワード「きく」ですが、「聞く」「聴く」と言う二つの異なる漢字があることをご存知の方は多いのではないでしょうか?
いざ文章を書くとなった時に、「聞く」と「聴く」のどちらを使えばいいのか迷ってしまうと言う経験もありませんか?
なんとなくモヤモヤしたまま過ぎてしまっているその「聞く」と「聴く」の違いに関する知識がこの記事ではバッチリわかるようになるはずです。
「聞く」の定義
辞書で調べてみると、「聞く」と言う言葉には大きく5種類の意味があることがわかります。
- 音や声が耳に入ってくる。耳で感じ取る。
- ある話を情報として受け取る。
- 人の要望や意見を受諾する。
- 問いかける。たずねる。
- 五感を使って識別する。
これを踏まえて例文にしてみると、以下のようになります。
- 鳥の鳴き声を聞く。
- 君の名声はかねがね聞いていた。
- 母の言いつけを聞く。
- 通行人に道を聞く。
- ワインを聞く。
これら用法の共通点として、「聞く」と言う言葉のイメージとして次のようなことが言えます。
しかし誰かの意見を聞き入れるとか、尋ねるとか、ものの種別を五感で感じ取る、という場合にも「聞く」を使うということに注意する必要があるでしょう。
⑤の「お酒を聞く」というような使い方の場合は、「お酒を利く」というように、「利」という漢字が使われる場合もあります。
この記事では「聞く」と「聴く」だけを扱っていますが、「利く」という言葉も同音異義語に含まれるのですね。
「聴く」の定義
ではもう一方の「聴く」という言葉の定義について考えていきましょう。
これだけだとピンとこないという場合は、例文にして考えてみましょう。
- 講義を聴く。
- コンサートで交響曲を聴く。
上の例文のように、講義では先生が話す内容を頭に入れようと積極的に聴きますし、音楽を聴く場合にも意識して決まった曲やCDに耳を傾けますよね。
このような場合に「聴く」という言葉を使うのですね。
とくに「講義を聴く」のような場合は「聴講」という熟語にもなっていますよね。
聞くと聴くの違いポイント
最後にこの記事でみてきた「聞く」と「聴く」の違いについて振り返りをしましょう。
「聴く」は何か決まったものに意識的に耳を傾ける時に使う言葉、「聞く」はただ自然に音や声が耳に入って切るという状態に対して使う言葉という違いがあります。
また、「聞く」はそれ以外にも意味が広く、情報として耳にする場合や、人に尋ねる場合、酒などの種類を味覚等で感じ取って違いを識別する時にも使えるのですね。
最後の味の識別などの場合には「利く」という時が用いられることもあるということも覚えておくといいでしょう。
聞くと聴くの違いについては以上になります。