「フリーター」と「ニート」の違いと意味

何となく肩身の狭い雰囲気が漂う「フリーター」「ニート」。

どちらもよく使われている言葉ですが、この2つに明確な違いってあるんでしょうか?

また、いつごろから広く世の中に浸透してきたのでしょうか?

「フリーター」「ニート」の意味の違いとそれぞれの意味について、成立した背景も含めて具体的に説明していきますね。

「フリーター」とは?

太郎
 「フリーター」は、定職に就かずに、様々なアルバイトを続けて生計を立てる働き方をする人を指します。

「フリーター」という言葉は、「フリーアルバイター」が縮められた略語です。

「フリー」は英語、「アルバイト」はドイツ語ですから、日本で作られた造語ですね。

時間に縛られずに(フリー)、働く人(アルバイター)という意味になると思います。

1980年代に、バブル景気で求人があふれ、正社員として就職しなくても、アルバイトで働いて十分収入を得ることができたことから、「フリーター」が増え始めました。

「ニート」とは?

桃子
 「ニート」の日本における定義は、高校や大学、予備校、専修学校などに通学しておらず、収入を伴う仕事をしていない、15歳~34歳まで配偶者のいない独身者を指します。

「ニート」は、労働意欲のない人を指すので、働きたくても働けない身体や心の病気の人、就職活動や職業訓練はしているけれど、職が決まらず無職の人などは除きます。

もともとはイギリスの政府機関が1999年に作成した調査報告書の中で定めた定義で、

Not in Education, Employment or Training
(教育を受けておらず、雇用されておらず、職業訓練も受けていない者)

の頭文字(NEET)をとってこう呼ばれていました。

日本では、2004年に出版された本の中で初めて取り上げられ、その後、新聞やテレビが特集が組んだことで世間に認知された用語となっています。

「ニート」は、2015年の調査では全国におよそ56万人いると推測されており、その高年齢化も大きな社会問題となっています。

「家事手伝い」はニートなの?

しかし、ここで1つの疑問が生じます。

「家事手伝い」という身分は、「ニート」にあたるんでしょうか?

実は、上に書いたニートの定義は内閣府が定めたもので、厚生労働省の定義では、「家事をしている人」はニートから外されており、ダブルスタンダードが生じています。

しかし、働いていない若者が、家事手伝いをしているかどうかなんて、家族以外には分かりませんよね?

どうやって統計をとるんでしょうか?

また、「家事」「介護」は含まれるのかどうかなども気になるところです。

「フリーター」のこれからは?

「フリーター」は、2016年の調査では155万人というデータがあり、実際には、それよりも多い数の「高年齢フリーター」も存在しているといわれています。

また、同じフリーターでも、会社に就職したり1つの職業に就くのを拒み、自由な就業形態を選ぶ「バブル期フリーター」と、希望の就職先に就職できずに、とりあえず・やむをえずフリーターになった「氷河期フリーター」に大きく傾向が分かれるそうです。
また、正社員になっても、安い賃金で責任が重く、労働時間の長い、いわゆる「ブラック企業」もあります。

そんな会社でこきつかわれるぐらいなら、自由に動ける「フリーター」の方がいい、という考え方の人もいます。

日本の労働環境も働き方も、今は過渡期にあると言えます。

これから先どんな世の中になっていくのか誰にも分かりませんし、正社員でさえあれば一生安泰とはいえなくなっています。

しかし、「フリーター」は、生涯賃金では正社員と1~3億円の差がつくともいわれています。

正社員になれる選択肢があるのなら、若いうちにトライしてみるのは決して無駄ではないはずです。

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