最近注目され始めたのが、発達障害ですよね。
発達障害は昔からあったものだとは思いますが、最近特に大人の発達障害なども注目され、テレビなどでも多く取り上げられるようになりました。
発達障害と一言に言っても、いろいろな種類があります。
その中でも特に耳にするようになったのが「LD(学習障害)」「ADHD(注意欠陥多動性障害)」「高機能自閉症」です。
では、これらは具体的にはどのような発達障害なのでしょうか?
今回は、「LD」「ADHD」「高機能自閉症」の違いについてご説明いたします。
「LD(学習障害)」の意味
内容だけ見てみると、ただ能力だけが劣っているようにみられますが、「LD」の場合、生まれつき中枢神経の働きに障害があることが原因と考えられています。
その為、どんなに本人が努力しても、なかなか取得することが難しいというのが特徴なのです。
「LD」と言っても実はいくつかの種類があるのです。
例えば、代表的なものに失読症(読字障害)というものがあります。
これは、その呼び方の通り、文字を読めない・もしくは読むのが困難という障害です。
ただ、知的障害とは違い、それ以外は特に普通の人と何ら変わりはありません。
次に、書字表出障害というものがあります。
これは、鏡文字とも言われ、文字を書くときに鏡に映したようにさかさまに書いてしまう障害のことを言います。
他にも、他の教科は問題なく出来るのに、算数だけはできないという算数障害というものもあります。
このように、「LD」には、学習障害の中でも特定の学習のみが不得手という特徴があるのです。
「ADHD(注意欠陥多動性障害)」の意味
ADHDには大きく分けて「注意力」「多動性」の2種類に分けることが出来ます。
まず、注意力に関しては、
- 注意が続かない
- 話を聞かない
- 失くしものが多い
- 気が散りやすい
- 物事を順序立て出来ない
- 頼まれたことをやり遂げられない
などという特徴があります。
次に多動性ですが、
- じっとしていることが出来ない
- 一度しゃべり始めると止まらない
- 順番を守ることが出来ない
- 人の邪魔をしてしまう
- 常に手足を動かしてしまう
などという特徴があります。
このような障害から、ADHDの人の場合、なかなか周りの人に合わせることが出来ず、子供の頃は教室などで学習することが難しく、大人になってからも仕事をするのが困難な場合が多いのです。
「高機能自閉症」の意味
高機能自閉症の特徴としては、
- 対人関係に問題がある
- こだわりが強い
- 視覚や聴覚・嗅覚が敏感人が多い
このようなものがあります。
つまり、高機能自閉症の場合は、生活するうえで特に問題はないのですが、周りから見られると「変わった人」ととらえられがちで、なおかつ本人も周りの人に合わせて生活をしていくのが苦痛という人が多く見られます。
「LD」と「ADHD」は併発しやすい?
実は、「LD」と「ADHD」を併発いる子供というのはよく見られているのです。
例えば、ADHDの場合、集中力や注意力が散漫になりやすいため、どうしても学習に困難を伴いやすいのです。
しかし、これが必ずしも「LD」と「ADHD」が併発しているとは言いにくいのです。
学習能力はあっても、集中力がなく学習が困難になるために「LD」と勘違いされやすいのです。
つまり、「LD」と「ADHD」はよく似ているものでもあり、併発することもありますが、必ずしも併発しているとは限らないという事が言えるのです。
違いのまとめ
「LD」には学習能力、「ADHD」には行動、「高機能自閉症」には周りの人との協調性に障害があるという事がわかりましたね。
最初は、ただ能力が劣っていると思われがちですが、実は生まれつき脳に障害があることから発症しているものなので、自分の努力で改善するのはとても難しいことなのです。
それでも、自分の障害をきちんと理解し、周りの助けなどを得ながら生活を送っているという人もたくさんいます。
逆に、自分が周りと比べると劣っているのは生まれつきの障害が原因だと大人になるまで気づかないという人もいるのです。
大切なのは、きちんと自分の障害を理解し周りにも理解をしてもらうという事なのです。