「木材」と「材木」の違いについて解説します。
木材とは?
木材の「節」(ふし)出典:Wikipedia
そもそも木材とは、建築用に切断された材料や原料に使われるものをいいます。ですから建築用資材にするため伐採された樹木の幹の部分を表しています。木材の用途は、切削されて、木工になった木製品に限りません。紙の原料(木材パルプ)、薪や木炭も木材になります。さらに化学変化によるガス化や液化したエネルギーの利用、化学工業の原料、飼料まで木材と呼ばれています。
単に皮をはいで、枝を切り落としたりばかりの原木に近い状態の木のことは丸太といいます。
木材の特性
木材は、とても丈夫な細胞組織のハニカム構造になっています。比強度(物質の強さを表す物理量の一つ)は、鉄よりも高くなっています。さらに強さと重さのバランスがとれています。また空気を大量に含んでいるので、熱伝導率が低いため、鋼材と比較すると断熱効果に優れていることが分かります。
また、木材は燃えやすいと思われていますが、火を付けると表面に炭化層を作るため、内部に火が進行しにくいのです。木材は加工された後も周りの湿度に合わせて、水分の吸収や水を吐き出す性質があります。つまり、湿度が高ければ水分を吸収し、逆に水分が低いと体内の水分をはき出して、湿度の調整を行うのです。
木材と人
木材は光が当たると波長の変化で暖かみのある心地よい色を出します。それによってストレスを減らし快適な心地よさを感じさせます。また、木材の香りは気分を和らげる効果があります。気分を落ち着かせ、心理的にもよい影響を与えるのです。木材は熱を伝えにくいので触っても手のひらの熱が逃げにくくなっています。本当に木材は、人に優しい建築材です。
木材の種類
木材は大きく分けて、針葉樹と広葉樹に分けられます。針葉樹は、柔らかく加工が簡単なため、建築材などに多く使われています。針葉樹は、スギ、ヒノキ、マツ、ツガなどです。
広葉樹は、針葉樹に比べ背丈は低く横に広がる性質があります。硬くて丈夫な樹木が多く、傷を付けたくないフローリングや家具などに使われます。主な樹木は、ケヤキ、クリ、カバ、クスノキなどがあります。
材木とは?
材木店の店頭に並ぶ各種木材(出典:Wikipedia)
建築物や製品の原料として一定の長さや大きさなどに製材されたものです。材木は加工されることで用材になっています。DIY用の材料はすべて材木になります。材木は目的に応じて使いやすいように加工されてます。
木材店は流通の初期段階にありますが、材木店は、流通の最終段階に近づくほど多くなっていきます。つまり木を買う人は材木店から購入しています。
材木の活用
在来工法で立てる家は、ほとんどが製材所と言われている材木店で購入することができます。材木店では、木の状態をよく見て材木に加工したものがそろえられています。また、幅や長さを指定すると木材を指定した材木に加工してもらえます。
DIYで小物を作るときはホームセンターにいきます。ホームセンターには、いろいろなサイズの材木があります。子どもたちが夏休みに木を使って工作するときの材料も材木です。
「木材」と「材木」の違い
- 木材は、建築用に切断された樹木のことを言います。木材といわれる物の範囲は広く材料や原料になる物まで含まれます。材木は、木材から建築物や他の用途のため、一定の大きさや長さに製材された物です。
- 木材も材料も同じ木で、木のメリットをどちらも生かして使われます。木の特性を生かし、家を建てたり、家具になったりします。
- 大きな加工をせず家を建てたりする目的のため製材されたものが木材で、用途別に加工される用材のことを材木と呼んでいます。
まとめ
日本語は、文字を入れ替えただけで意味が違ってしまうのです。でも、材木と木材の違いをそれほど意識している人はいないと思います。なんとなく木をベースにした物ということは、だれでも分かるからです。どちらにせよ厳密に使う必要はないと思います。
伐採から加工してその加工が進む中で呼び方が変わっただけですから、結局はどちらでもいいような気がします。木材でも材木でも木のことだと分かります。
それより樹木のすごいパワーや樹木のものすごい効能のほうが、感動です。日本の家は木の家だ、と他国に馬鹿にされた時期もありました。しかし、昔の人は、樹木にはすごい力があるのを知っていたのですね。湿気の多い日本で気候に合わせるように家屋の水分を吸ったり吐いたりしている木を家の材料に選んだ昔の日本人はすごいと思いました。