日本で昔から食べられているお菓子である「おかき」「あられ」「せんべい」。
最近ではあまり若い人はこれらを食べないイメージがありますが、甘いものばかり食べていると、時々はお茶を飲みながら「おかき」「あられ」「せんべい」を食べたくなることってありますよね。
ただ、おかき・あられ・せんべいって、どのような違いがあるのか知っていますか?
確かに見た目は違うけれど、どれもお米からできているし、明確な違いがどうなのかイマイチわからない人も多いと思います。
今回は、「おかき」と「あられ」と「せんべい」の違いについてご説明します。
「おかき」の意味
出典:おかきのげんぶ堂
おかきの由来は、平安時代にまでさかのぼります。
今でもお正月になると「鏡餅」というものを飾りますよね。
これを7日に「鏡開き」を行います。
しかし、長期間お供えしていた鏡餅は固くなっていて、そのまま食べることは難しいもの。
そこで、端から手で欠いて乾燥させ、油で揚げて食べたことが始まりだといわれているのです。
鏡開きというと、木槌などでもちを割るというイメージですよね。
ではなぜ包丁などを使って切らないのかというと、これは当時お正月明けに刃物を使うのは縁起が悪いとされていたからなんです。
その為、割った餅もわざわざ手で欠いて小さくしていたのです。
この「手で欠く(かく)」という言葉から「おかき(お欠き)」という名前がついたといわれています。
「あられ」の意味
豆あられ(出典:Wikipedia)
なぜ「あられ」という名前がついているのかというと、天気の「あられ(霰)」のように小さなものという意味があります。
あられというと「ひなあられ」や「まめあられ」などがあるとともに、お茶漬けなどにも良く入っていますよね。
見てみるとどれも小さいという事がわかると思います。
しかし、作り方を見てみると、「おかき」と変わらないような気がしませんか?
そうなんです。
おかきとあられというのは、作り方は同じで、大きさが違うというだけで区別されているのです。
つまり、おおきいものが「おかき」小さいのが「あられ」という事なんです。
地域によっては、おかきもあられもどちらも「おかき」と統一して呼ぶところもあるほどです。
「せんべい」の意味
日本の煎餅とその断面(出典:Wikipedia)
「せんべい」と「おかき」「あられ」との明確な違いは、その原料にあります。
どれもお米から作られていますが、せんべいは私たちが普段食べている「うるち米」から、「おかき」と「あられ」は「もち米」から作られています。
ただ、中には「南部せんべい」のように、小麦粉を使って作られているものもあります。
今私たちが食べているせんべいの形の元となったものは、埼玉県の「草加せんべい」が発祥だといわれています。
今では、オーソドックスなしょうゆせんべいのほかに「ザラメせんべい」や「ぬれせんべい」「あげせんべい」など多種多様なせんべいが販売されています。
「おかき」「あられ」「せんべい」の違いのまとめ
そもそも、「おかき」「あられ」は、固くなってしまったお餅を食べやすい大きさに切ってあげたり焼いたりした食べ物に対して、「せんべい」は、元々うるち米の粉をこねて平べったくして焼いたものを言うので、見た目は似ていても、作り方は全く違うものなのです。
ただ、どちらも私たち日本人が昔から主食としてきた「お米」が原料になっていますよね。
そのお米から「おかき」「あられ」「せんべい」が私たちのお菓子として発展してきたのはごく自然のことだったのだと思います。
今は、外国から入ってきたケーキなどの甘いスイーツに追いやられて、おかき・あられ・せんべいはどちらかというと年配の人がお茶うけに食べるというイメージが強くなってしまいました。
それでも時々無性に懐かしくなって食べたくなるのは、私たちが元々お米を主食としてきたことと、おかき・あられ・せんべいが昔から日本にあるお菓子だからなのではないでしょうか?