「強力粉」と「薄力粉」はどちらも「小麦粉」です。
「強力粉」は主にギョーザの皮やパンなどに使います。
「薄力粉」は主にクッキーや天ぷらなどに使います。
ここでは、同じ「小麦粉」である「強力粉と薄力粉の違い」を説明したいと思います。
また、似ているようで違う「強力粉」と「薄力粉」はそれぞれ代用することが可能かどうか、またそれぞれの原料やカロリーについても違いを書いていきます。
強力粉について
強力粉はギョーザの皮やパン、カステラなど、どちらかというとしっとりした小麦粉食材を作るために使います。
強力粉を使用した食材がしっとりしている理由
強力粉を使用した食材の出来上がり感がしっとりとしているのは、小麦粉に含まれるタンパク質のグルテンを高含有しているからです。
その含有量は11%以上(薄力粉の場合は9%以下)。
たった2%の違いと思うかもしれませんが、この差だけで出来上がった食材の食感が大きく変わります。
また、強力粉は粉の目が粗く、調理前の状態の粉を触ってみるとザラザラした感じがします。
粉の目が粗いため調理しているときの水分を多く吸い取るのです。
水分を多く吸い取るため完成した食材はモッチリ感が豊富になるわけです。
強力粉の産地
主にカナダなど寒くてやや乾燥している地域で良質な強力粉用の小麦がよく育ちます。
日本はどちらかというと温暖な気候ですが、北海道のほうでは質の良い強力粉用の小麦がよく取れます。
強力粉のカロリーと栄養成分
小麦粉の成分の大部分はでんぷん(糖質)からできています。
でんぷんの含有率は70~75%。
強力粉はタンパク質のグルテンを多く含みますので、その分でんぷんの含有量は70%と薄力粉に比べてやや低めです。
また、気になるカロリーは100g当たり366kcalと薄力粉に比べて若干低くなります。
薄力粉について
薄力粉はクッキーや天ぷらなど、強力粉とは逆でサクサクっとした小麦粉食材を作るために使います。
薄力粉を使用した食材がサクサクしている理由
薄力粉を使用した食材の出来上がりがサクッとしているのは、グルテンの含有量が9%以下と強力粉より低いためです。
また、薄力粉は粉の目がきめ細かく、手に取るとサラサラした感じがするのがわかります。
粉の目が細かいということは水分をあまり吸わないということなのです。
これも強力粉とは逆ですね。
水分を多く吸わないということは、サクサクでパリッとした食材が出来上がるわけです。
サクサク感のないクッキーや天ぷらは美味しくないですものね。
薄力粉の産地
主にアメリカ南部やオーストラリア北部など温暖な気候の地域でよく育ちます。
温暖な気候の日本では、北海道から九州までとバランスよく質のよい薄力粉用の小麦が取れます。
薄力粉のカロリーと栄養成分
薄力粉のでんぷんの含有量は75%と少し高めです。
グルテン含有率が強力粉より少ないため、その分糖質であるでんぷんが多くなってしまうのです。
カロリーは100g当たり368kcalと強力粉に比べほんの少し高い程度です。
強力粉と薄力粉の上手な使い分けと代用
食材によっては代用と使い分けができるものがあります。
例えば、カステラやケーキなどです。
しっとりとしたカステラやケーキが好きな方は強力粉を使用し、サッパリした食感のほうが好きという方は薄力粉を使えばよいのです。
それは天ぷらやギョーザの皮、クッキーなどです。
しっとりと水気のある天ぷらが好きな人は滅多にいないでしょうから、天ぷらには薄力粉を使うべきです。
また、ギョーザの皮は厚めに作ることがほとんどですから強力粉を使いましょう。
パリッとしたギョーザの感触は、焼くときの油の温度や火加減によるもので、小麦の種類の影響ではありません。
クッキーにしても強力粉で仕上げてしまうとなかなか中まで焼きあがらず黒焦げになってしまうことでしょう。
中力粉は、うどんやラーメンなどによく使われ、関東地方で良質の小麦がよく取れます。
たとえば、埼玉県北部では良質な小麦を使用したうどん屋さんが多く見られ、中力粉を使用したフライというB級グルメが大変有名です。
強力粉と薄力粉と小麦粉の違いまとめ
- 強力粉と薄力粉はどちらも小麦粉。
- 強力粉は餃子の皮やパンやカステラなどしっとりとした小麦粉食材に用いる。
- 薄力粉はクッキーや天ぷらなどサクサクした小麦粉食材に用いる。
- 強力粉は気候が寒いところで多くとれる。
- 薄力粉は比較的温暖な気候でよく育つ。
- 強力粉と薄力粉の代用は、食材によって代用出来るものと出来ないものがある。