「アルコール」と「リキュール」の違い

「アルコール」と「リキュール」の違いについて解説します。

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アルコールとは?

コップに注がれたビール

コップに注がれたビール(出典:Wikipedia

アルコールはそもそも何?

アルコールは有機化合物で、分子中に水酸基を持つものをいいます。1分子中に水酸基がいくつあるかでアルコールを分類します。

1分子中1個を持っている物を1価アルコール、2個持っている物を2価アルコール、
3個持っている物を3価アルコールといいます。

また炭素原子が少ないアルコール(低級アルコール)は、水に溶けやすいです。しかし炭素原子が多いアルコール(高級アルコール)は、水にとけにくくなり、ついにはロウのような固体になってしまいます。

お酒に入っているアルコールはどうやって作る?

お酒に含まれるアルコール分は酵母菌が、糖分を分解することにより作り出されます。

通常、単にアルコールというとエチルアルコール(エタノール)を指します。エチルアルコールは、主に酒類に含まれる主要アルコールで、炭素原子2個を持つ、無色透明の液体です。

エチルアルコールは、揮発性で沸点が78℃です。主に酵母の発酵作用で、砂糖・ブドウ糖などから作られます。穀類やデンプン質の原料からエチルアルコールを作る場合は、デンプンを糖化させて、ブドウ糖にかえてから、アルコール発酵します。

石油化学工業品から作られるエチレンもアルコールですが、飲料目的の使用は禁止されています。

飲料のアルコールと人類の関わり合い

エチルアルコールは酒類としての人間との関わりは、とても長い歴史があります。人体に対して害が少ないことやアルコールを飲むと酔う性質が好まれ、人間社会に欠かすことができなくなっています。

お酒を飲むと酔うのは、アルコールの働きによるものです。体の中でアルコールが分解されてしまいます。この分解されたものが体から消えてしまうまで、酔った状態が続きます。飲み過ぎると、飲まずにはいられなくなり、依存症になることもあります。

アルコールを含んだ飲み物

日本酒、ビール、ワイン、ウイスキーなどで、アルコールを含む酒類のことをいいます。
酒税法では1%(1度)以上のアルコールを含む物を酒類といいます。また、自由に製造したり、販売したりすることは禁じられています。酒類の製法は、醸造酒、蒸留酒、混成酒の3種類に分けられています。

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リキュールとは?

リキュールの1種、アブサン

リキュールの1種、アブサン(出典:Wikipedia

リキュールとは、どんなお酒のことをいうのでしょうか? 日本の家庭の味のリキュールといえば、「梅酒」があります。梅酒がリキュールなら、なんとなくどんなお酒なのか想像がつきますよね。

リキュールは蒸留酒に、果実・花・薬草・香草を加えて作るお酒のことです。お酒の分類では、混成酒になります。しかし、リキュールだからといって単純に混成酒にはならないこともあります。たとえばビールをベースにするとビールになり、ワインをベースにするとワインの一種となります。ですから、リキュールというには、あくまでも蒸留酒をベースにしなければなりません。

リキュールの歴史

古代ギリシャ時代の医者が、薬草をワインに溶かして一種の水薬を作ったのが始まりだといわれています。現在のリキュール、つまり蒸留酒をベースにしたものは、13世紀ごろスペイン生まれの医者とその弟子が、多くのリキュールを創案したといわれています。

彼らの死後すぐにヨーロッパでペストが大流行しました。そのときリキュールは、薬品として重宝されました。その後は、ヨーロッパを中心に蜂蜜やシロップ、フルーツを使ったものと進化していきました。

日本のリキュール

日本のリキュールの歴史は、豊臣秀吉の時代に宣教師が「利休酒」を持ち込んだのがはじめではないかといわれています。またリキュールが、文献の中で初めて登場したのが1853年に黒船が来航した時です。当時、浦賀奉行を迎えたペルーが様々な酒でもてなしをしました。

そのとき奉行は、リキュールを1滴も残さず飲みほしたという記録が残っています。明治時代、ヨーロッパ文化のシンボルとしてリキュールは、鹿鳴館を中心にもてはやされました。現代でも様々なリキュールが多くの人に親しまれています。

リキュールの製法

リキュールの製法は大きく分けて2つの工程があります。1つは香味抽出、もう一つはブレンドです。香味抽出には、原料を中性アルコールとともに抽出する蒸留法や、蒸留酒に原料をつけ込んで成分抽出を行う浸漬法などがあります。リキュールの種類に応じて、最適な製法が選ばれています。ブレンド法は、香味抽出で抽出した香味液に糖類などを加え、味を調整した後、ろ過で仕上げていきます。

リキュールは、製造の時に使用される材料が多いため、4つの系統(フルーツ系・ナッツ系・薬草系・そのほか)に分けられています。

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「アルコール」と「リキュール」の違い

  1. アルコールは、化学的には水酸基をもつ有機化合物です。飲料が認められているのはエチルアルコールで、そのほかのアルコールは飲料を禁止されています。
  2. お酒に入っているアルコールは、主にエチルアルコールで酵母菌が糖分を分解することにより作り出されます。リキュールは、蒸留酒に果実・花・薬草・香草などを加えて造るお酒です。
  3. お酒として飲まれてきたエチルアルコールは、人間の生活ととても長い歴史があります。体に害もなく酔うと心地よくなるため、人間社会にはなくてはならない物になっています。リキュールはヨーロッパを中心に古くから薬酒として飲まれていました。だんだん蒸留酒に加えるものが、工夫されリキュールはいろいろなものが作られています。日本では、豊臣秀吉に宣教師が作った「利休酒」が最初だといわれています。
  4. アルコールを飲むものは、いわゆる酒類のことです。酒には3つの製法があります。リキュールは大きく分けると工程が2つあります。また材料は4つの分類に分けられます。

まとめ

アルコールは、学校でもアルコールランプなのでお馴染みでしたが、同じアルコールでも飲めるアルコールは、エチルアルコールだけなのですね。

ちなみにアルコールランプのアルコールはメチルアルコールですから、飲むと失明するそうです。また、最近除菌にアルコールが使われていまスガ、これはエタノールというアルコールです。エタノールとエチルアルコールは、同じものですが、医療用消毒エタノールは、抽出時の温度も濃度も、飲料用とは違っています。

飲むなら、きちんとお酒と分類されるものが安全です。リキュールというとピンとこない人がいるかもしれませんが、梅酒といわれるとわかりますね。最近は果実酒もいろいろありますが、あくまでもリキュールは蒸留酒で作るものです。

アルコールは、依存性があるので、飲みすぎには注意をしてくださいね。

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