「ミネラルウォーター」「軟水」「硬水」「鉱水」の違い

スーパーに行くと、売り場に沢山並んでいるミネラルウォーターのペットボトル。

値段やパッケージのデザインについ目がいってしまいますが、裏に貼ってあるラベルを見ると「軟水」とか「硬水」と書いてありますね。

日本の水は軟水って聞いたことはあるけど、どんな基準があるか正しく知っていますか?

また、「ミネラルウォーター」と水道水はどこが違うんでしょうか?

今回は、そんな「ミネラルウォーターと軟水と硬水と鉱水の違い」について説明していきますね。

ミネラルウォーターの定義と種類について

ミネラルウォーター

まずは、「ミネラルウォーター」について。

農林水産省のガイドラインによると、ミネラルウォーターとは、「地下水などのうち、飲料に適する水を容器に詰めたもの」だそうです。

かなりざっくりとした定義ですね。

具体的には、ミネラルウォーターは次の4つに分類されます。

  1. ナチュラルウォーター:特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの
  2. ナチュラルミネラルウォーター: ナチュラルウォーターのうち、地中でミネラル分が溶解した地下水を原水としたもの。天然の二酸化炭素が溶解した発泡性のある地下水を含む
  3. ミネラルウォーター :ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的などのためにミネラル分の調整・ばっ気(水を空気にさらし、酸素を供給すること)・複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合などが行われているもの
  4. ボトルドウォーター:上記の3つ以外の水で、原水が地下水以外の水、もしくは、地下水でも成分を大きく変化させるために手を加えたもの。水道水も該当する
少し分かりにくいですが、「ナチュラル」がつくものは、最低限の殺菌処理以外の物理的・化学的な処理が行われていない水で、「ミネラル」がつくものは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が溶け込んだ水であるようですね。
太郎
日本で採水されているミネラルウォーターは、安全面からすべてのものが殺菌することが義務付けられているけど、ヨーロッパでは、水の美味しさやミネラル分を損なわないようにするために、殺菌することが禁止されているよ。
だから、ヨーロッパの「ナチュラルミネラルウォーター」は、原水を採取した後、いっさい手を加えていないものなんだ。

軟水と硬水の区別って?

軟水と硬水

次に、「軟水」「硬水」の区別についてです。

水は、1L中に含まれているマグネシウムやカルシウムの含有量によって、硬度が定められています。

WHO(世界保健機関)の基準では、硬度60mg未満が軟水、60~120mgが中硬水、120mg以上が硬水、180mg以上が非常な硬水とされています。

つまり、「軟水」は、カルシウムとマグネシウムの含有量が比較的少ない水で、「硬水」は、カルシウムとマグネシウムの含有量が比較的多い水ということです。

日本では、水の80%が「軟水」といわれており、反対にヨーロッパや北米では「硬水」が多くなっています。

これは、国土の成り立ちによる違いが大きいのです。

日本のように国土の70%が山地といわれている地形では、雨が降っても地中にとどまる時間が少なく、すぐに河川や海に流れ込んでしまうので、地中のミネラル分を取り込む量が少なくなっています。

反対に、ヨーロッパや北米のような広大な大陸では、雨水が地中にとどまる時間が長いために、地下の岩石からミネラル分が多く浸み出していると考えられます。

桃子
日本は火山性の地層が多く、ヨーロッパは石灰岩の地層が多いことも関係しているのね。

軟水と硬水の特徴について

それでは、「軟水」「硬水」の特徴について見ていきましょう。

軟水の特徴

  • 口あたりが優しく、飲みやすい
  • 日本料理に合い、お茶の味を引き立てる
  • 石鹸などの泡立ちが良い
  • 胃腸に負担がかからない

という特徴があります。

硬水の特徴

  • しっかりとした飲みごたえがある
  • ミネラル分が豊富に含まれる
  • アクを出したい煮込み料理などに向いている
  • 体の代謝を高め、便秘解消効果がある

という特徴があります。

代謝の促進効果を狙って、ダイエット用に硬水のミネラルウォーターを飲む人も増えています。

しかし、硬水を飲んだことのない人が急に硬度の高い水を飲むと、下痢などの体調不良を起こすことがあります。

そのため、硬水を継続して飲みたい人は、徐々に水の硬度を上げて体を慣れさせていくのがよいでしょう。

「鉱水」って何?

鉱水

ところで、市販されているミネラルウォーターのラベルに、「鉱水」という表記を見たことがありませんか?

これは、ミネラル分の含有度の違いによる硬水と軟水の分類とは異なり、その水がどこから採取されたかという「原水」の種類を示すものです。

原水は、鉱水のほかに浅井戸水・深井戸水・湧水・鉱泉水・温泉水・伏流水があります。

鉱水は、ミネラル分を含んだ地下水をポンプなどで汲み上げたものを指し、同じ水質で自然に噴き出した水は「鉱泉水」、水温が25度以上の鉱泉水は「温泉水」と呼ばれます。

その他の原水についての説明は省きますが、興味があったらぜひ調べてみて下さい。

ミネラルウォーターと軟水と硬水の違いまとめ

  • 「ミネラルウォーター」は、地下水などのうち、飲料に適する水を容器に詰めたものを指す。
  • 水は、1L中に含まれているマグネシウムやカルシウムの含有量によって硬度が定められていて、硬度が低い水を「軟水」、高い水を「硬水」という。
  • 日本は軟水、ヨーロッパや北米では硬水が多い。

今度ミネラルウォーターを飲む機会があったら、ラベルをじっくり見てみたくなりますね。

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