テレビのニュースや新聞の経済欄でたびたび目にする言葉、「倒産」と「破産」。
当たり前のように使われる言葉ですが、その定義がきちんと説明されることって案外ないように思います。
なんとなく同じ意味で使ってませんか?
実は「倒産」と「破産」って明確に異なる意味で使われる言葉なんです!
物騒な響きのする単語ではありますが、この記事を読めばそんな「倒産」と「破産」の違いについて、スッキリわかって人に説明できるようになるはずですよ。
「倒産」の定義
「倒産」を辞書で調べると、「企業において経営資金の運用のめどが立たなくなって潰れること」というような趣旨で説明されています。
倒産に伴って、様々な手続きが生じてきますが、それらを規律する法律はまとめて「倒産法」と呼ばれます。
「破産」の定義
続いて「破産」についてみていきましょう・
企業などの債務者が債務を完全に弁済することができなくなった時、全ての債務者の財産を公平に債権者に対して分配しなくてはなりません。
その時に破産法で定められた手続きをとりますが、これが破産です。
なんだかややこしくなってきましたが、要するに会社が借金を返せなくなって潰れてしまうことを「倒産」といい、その時に会社や責任者が取らなくてはいけない様々な方的手続きのうちの一つを「破産」というのですね。
ただしここで気をつけるべきことがあります。
ここまで「倒産」と「破産」の明確な違いを説明してきましたが、実は似たような意味で使われる場合があるのです。
「破産」は広義では、債務者が経済的理由から弁済期であるにもかかわらず債権者に債務を弁済できない状態にあることも指すのです。
これって「倒産」の定義とほぼ同じですよね。
しかしこの意味で使う場合においても、用法の違いが一つあるのです!
ということは!「父さんが倒産する」なんていうダジャレは成立しないのですね〜。
失礼いたしました・・・。
倒産と破産の違いポイント
最後にこの記事で解説してきた「倒産」と「破産」の違いについてのポイントをまとめます。
- 狭義において
倒産・・・企業が債務を弁済できなくなって経営がたちゆかなくなり潰れること。
破産・・・倒産した企業や人が法的にとるべき手続きの一つ。
- 広義において
倒産も破産も債務者が債権者に対して債務を弁済できなくなる状態にあるというような意味で使われる。
ただし、破産は個人と企業の両者に対して用いられるが、倒産は個人に対しては用いられない。
いかがでしたか?
「倒産」と「破産」の違いについての解説は以上になります。
これからはきちんと意味の違いを知った上で使うことができるのではないでしょうか。
しかしこれらの言葉とは関わり合いのない人生を送りたいものですね。