名前も姿も似ているので、混同されることの多い「イモリ」と「ヤモリ」。
「トカゲ」は、総称?それとも種類? 「カナヘビ」って、ヘビの仲間なの?
身近で見かける生き物だけど、意外に知らない「イモリ」と「ヤモリ」と「トカゲ」と「カナヘビ」の違いや、名前の語源やその生態について解説します。
イモリってどんな生き物?
アカハライモリ(出典:Wikipedia)
イモリには、次のような特徴があります。
- 両生類で、カエルの仲間
- 水辺のそばにいることが多いが、陸上でも生活できる
- からだの表面はヌルヌルしていて、腹部は赤い
- 足の指が、前は4本で、後ろは5本ある
- 井戸や田んぼの近くに棲み、害虫を食べてくれたことから「井守」という漢字があてられた
ヤモリってどんな生き物?
ニホンヤモリ(出典:Wikipedia)
それに対して、ヤモリには次のような特徴があります。
- は虫類で、ヘビの仲間
- 陸上でしか生活できない
- からだの表面はカサカサしていて、土色をしている
- 足の指は、前も後ろも5本
- 家の近くに棲み、害虫を食べてくれたことから「家守」という漢字があてられた
何となく分かりましたでしょうか?
ヤモリは、足の指に吸盤のような毛が付いているので、垂直面でも簡単によじ登ることができるからです。
また、イモリはまぶたがありますが、ヤモリにはありません。
そのため、ヤモリの目は少し出っ張ったような形をしています。
ヤモリは目が乾燥すると、自分の舌でなめて水分を補給するそうです。
トカゲってどんな生き物?
フトアゴヒゲトカゲ(出典:Wikipedia)
トカゲはは虫類で、ヤモリと同じ仲間です。
「戸の陰」にいることが多いので、「戸陰(とかげ)」と呼ばれるようになりました。
走るのが早く、さっと身を隠すことから、「敏駆(とかけ)」や「疾隠(とかくれ)」の字があてられたという説もあるようです。
トカゲという名称が一般化しているので、「ヤモリはトカゲの一種なの?」と思ってしまいますが、実際はどうなんでしょう?
ニホントカゲとニホンヤモリという種を例にとると、
ニホントカゲは、
「有鱗目 トカゲ亜目 トカゲ下目 トカゲ科 トカゲ属」
ニホンヤモリは、
「有麟目 トカゲ亜目 ヤモリ下目 ヤモリ科 ヤモリ属」
になります。
トカゲとヤモリの違い
トカゲとヤモリの違いとしては、
- トカゲは昼光性で、日光浴もするが、ヤモリは夜行性で、昼間はほとんど活動しない
- トカゲは土に潜ることもあるが、ヤモリは地上で生活する
- トカゲはからだの表面が光っているが、ヤモリは乾いている
- トカゲにはまぶたがあるが、ヤモリにはない
などがあります。
カナヘビってどんな生き物?
ニホンカナヘビ(出典:Wikipedia)
では、カナヘビとはどんな生物なのでしょうか?
トカゲとヤモリの例に従って、ニホンカナヘビという種の分類をみてみますと、
ニホンカナヘビは
「有麟目 トカゲ亜目 トカゲ下目 カナヘビ科 カナヘビ属」
となります。
カナヘビとトカゲの違い
カナヘビとトカゲの違いをみると、
- トカゲの幼体は、色鮮やかなメタリックブルーで、カナヘビとトカゲの成体は、茶褐色である
- カナヘビは、トカゲよりも尻尾の長さが長い。体の2/3を尻尾が占めることもある
- カナヘビの方が全体的にスレンダーで、トカゲはずんぐりしている
- 民家のまわりで見かけるのは、トカゲよりもカナヘビの方が多い
いかがでしょうか?何となくもやもやしていた疑問が解消されましたか?
もし家の近くなどで見かけたら、「ヤモリかな?トカゲかな?」と上の項目を参考に、観察してみて下さい。