「セグロセキレイ」と「ハクセキレイ」の違い

セグロセキレイとは?

セグロセキレイ
セグロセキレイ(出典:Wikipedia

分類:スズメ目セキレイ科

英名:Japanese Wagtail

全長:21㎝

分布:日本固有種(小数の種は朝鮮、台湾、中国へも渡る)

生息地:河川、湖沼、水辺周辺の農耕地

地鳴き:「ジュジュッ、ジュジュッ」「ジュビッ、ジュビッ」「ジジッ、ジジッ」

体色:頭、顔、喉、肩、背、胸、羽の上部が黒色
額、腹、羽の裏側が白色
つまり、飛んでいる姿を上から見ると黒い鳥に、下から見ると白い鳥に映る。

ハクセキレイとは?

ハクセキレイ
ハクセキレイ(出典:Wikipedia

分類:スズメ目セキレイ科

英名:Japanese Pied Wagtail

全長:21㎝

分布:ユーラシア大陸のほぼ全域
もとは北海道・東北地方だけだったが、現在は日本全土

生息地:湖沼、海岸、河川、草地、農耕地のほか、市街地や住宅地

地鳴き:「チュチュッ、チュチュッ」「チチン、チチン」

体色:頭上、肩、背、胸が黒色または灰色
額、顔、喉、腹、翼が白色

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「セグロセキレイ」「ハクセキレイ」の違い

セキレイは漢字で「鶺鴒」と書く。「鴒」は「澄んだ水」という意味なので、両者とも水辺が生息地。細く長い尾を上下に振りながら歩くのも、セキレイに共通の特徴だ。

「セグロセキレイ」は縄張り意識が強い。同種とだけでなく「ハクセキレイ」とも日々、縄張り抗争をくりひろげている。黒と白のコントラストがはっきりしている姿だけに、その性格もきっぱり攻撃的である。

だが「ハクセキレイ」も負けてはいない。こちらの縄張り意識も相当である。この子のビックリなところは、道路の反射鏡や車両のドアミラーに映った【自分の姿】に対してさえも威嚇、体当たりすることだ……怖い。「セグロセキレイ」にはないグレーを身にまとっていることで、エレガンスな雰囲気をかもしていると思いきや、とんだバイオレンスを秘めていた。外観と歩き方はかわいいのに気性が激しい、これも両者に共通だ。

スズメよりひと回り大きい「セグロセキレイ」は食欲旺盛である。雑食で、飛んでいる虫はキャッチして食べるし、土の中にひそんでいる虫もゲットして食べる。

「ハクセキレイ」も雑食だ。ミミズも蜘蛛もトンボも蛾も食べる。人間のこぼしたパン屑まで食べる。なんなら、ねだってまでして食べる……凄い。そう、「ハクセキレイ」は人が近づいても逃げない鳥として知られている。そのため繁華街や住宅地、駐車場や道路までも生息地にしてしまう。用心深い「セグロセキレイ」と異なり「ハクセキレイ」は警戒心が薄い。かわいい外観そのままに、人なつっこい面を持っている。町中で遭遇するのは「ハクセキレイ」の確率が高いということになる。ようやく違いが見えてきた。

だがもっと明白な違いというか、判別の決め手はないのだろうか?

ある。それは顔の部分。

「セグロセキレイ」は目元から頬にかけて真っ黒
「ハクセキレイ」は目元に黒い線が入るだけで、あとは真っ白

ほかにも「セグロセキレイ」は濁った声で鳴くのに対し「ハクセキレイ」は澄んだ声で鳴く。

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まとめ

「セグロセキレイ」…水辺に生息
顔を見ると目元から頬にかけて真っ黒
濁った鳴き声

「ハクセキレイ」…水辺や市街地に生息
顔を見ると目元に黒い線が入るだけで、あとは真っ白
澄んだ鳴き声

市街地にも適応しうる「ハクセキレイ」の勢力におされ、近年「セグロセキレイ」の個体数と分布域は、減少傾向にあるという。
頑張れ、セグロセキレイ! 負けるな、セグロセキレイ!

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